オーセブンCADコンテスト2022

学校部門受賞作品

 

NOUGEI GARDEN


東京都立農芸高等学校 緑地環境科
逸見 ミリージーン 様

オーセブンCADコンテスト2022 学校部門 最優秀賞作品オーセブンCADコンテスト2022 学校部門 最優秀賞作品オーセブンCADコンテスト2022 学校部門 最優秀賞作品






作品コンセプト
南の島のリゾートをイメージさせるトロピカルな庭


感想と創意工夫点
実際にクラスの全員でつくった卒業制作の設計図面をもとに作図しました。滝、池、デッキ、色彩豊かな草花、樹木が生い茂るジャングル、ヤシの木がそびえ立つ道など様々なスポットを設けることで南国風のいろいろな顔を楽しめるようにしました。


松下高弘氏のコメント
南国リゾートの雰囲気が充分に感じられるプレゼンテーションです。ヤシの木だけでなく、赤や黄色のカラーリーフも植栽しているので楽しいイメージ伝わってきます。夜景パースはスポットや間接照明のライティングも入れ、リゾートならではのプレゼンも効果的で好感が持てます。
1枚目は、平面図と全体鳥瞰パースや夜景パースに、タイトル「南国のトロピカルガーデン」、サブタイトルは「ヤシやカラーリーフで華やかさを演出」に、コンセプトは簡潔な言葉で伝える。
2枚目は、アイレベル(EL=1.5m)のアプローチやデッキ、池、カスケードなどの部分パースなどいれ、簡単な説明文を入れると、更に見やすく分かりやすいプレゼンテーションになると思います。
1枚目に昼間、2枚目に夜景パースでインパクトな効果を出す方法もあります。


オーセブンからのコメント
ソテツやヤシの木といった緑豊かな南国の高木の合間に、鮮やかな草花を植え込んで華やかさを際立てさせた、とても素敵なお庭の作品です。
回遊式の小道も単純な周回では無く変化に富んでいます。石積の壁や滝など園路の要所要所にアイストップ効果の演出、池を横切って渡るデッキを設置したりと、来園者に楽しんでもらうことを想像しながらプランしたことがよく伝わって来ます。
パース表現では、プランの見どころを丁寧に伝えるカメラアングルの設定や、灯りの揺らめく様が想像出来るナイトビューもとても素敵です。臨場感のある人目線のパースと、概要の分かる鳥瞰パースの使い分けが、プレゼンの重要な要素としてどちらも満たされています。
限られたスペースでありながら、昼と夜の両方の表情をリッチな気分で楽しめる様になっているプランアイデアや、工夫を凝らしたプレゼンのテクニックなど、総合的に見ても相応しい作品として最優秀賞に選ばせていただきました。


指導者のコメント
この度は最優秀賞を受賞することができ、学校関係者全員でとても喜んでおります。学校としては昨年に続いて生徒が受賞し、昨年以上の喜びを感じております。
今年度の受賞作品も生徒の設計案の中からコンペで選ばれた作品をCADに起こしたものですが、昨年度よりも早く取り組むことができましたので、設計条件を丁寧に整理すること、核となるコンセプトを十分に検討すること、またコンセプトに沿った植栽や材料、配色等にこだわりを持つことを大切にするように指導してきました。受賞作品は授業で身につけた知識のほかに、生徒がこだわりを持って植栽や素材を選び、時間をかけてまとめたものでしたので、このように評価していただけたことは非常にうれしく思います。なお今回の受賞作品をもとに生徒が作庭しましたので、写真は施工完了直後に撮影したものを掲載していただきました。
今回の受賞を励みに、今後も引き続き指導方法の改善を図って生徒の作品制作が良い結果につながることを目標にしつつ、幅広く人材育成に努めていきたいと思います。
最後になりましたが、昨年度に続いてコロナ禍での取り組みとなったにも関わらず、いつも丁寧にご指導・ご助言を下さったオーセブン様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。




受賞者のコメント
この度は、このような素晴らしい賞をいただき、感謝を申し上げます。例年の受賞した作品と比べてパースの説明や全体の完成度に不十分な点が多く、自分でも納得いかないまま出展することになったので、最優秀の作品として選ばれたとことを耳にした時、本当に驚きました。改めて感謝を申し上げます。
私たちの学校の緑地環境科は、三年生になると夏頃から卒業庭園という三年間の集大成となる一大プロジェクトに取り掛かります。各生徒が一人一つ決められた面積で設計案を作成するのですが、その時に思いついたのがこの南国風の庭園でした。
それ以前に三年生から選択科目でオーセブンCADの基本的な操作について学び、先生やマニュアルをもとに小庭園やエクステリアの設計を学んでいたので、今回は自分の思い描く庭園を形にしていけると思うとワクワクが止まりませんでした。私は機械の操作が不得意な上に、こだわりが強いため想像した以上に、操作に慣れるのに時間が掛かりましたが、先生や友達の助けを得ながらなんとか完成に持って行くことが出来ました。
南国の雰囲気を作り出すために最も自分がこだわりを持ったのは、植物と夜のライトアップです。昼夜楽しめる庭にしたいと思ったので、庭の4箇所に柱を立て、ワイヤーを張ってライトボールを吊るせるように仕掛けました。そうすることで、夜はより一層リゾートの雰囲気を楽しめます。また、日中は光に照らされたカラフルな熱帯の植物を見て楽しんでもらえるように、樹木の種類、配置や樹高、色のバランスにも気をつけながら設計しました。
こだわって設計した部分はまだ沢山ありますが、見て癒されるだけでなく、庭全体を歩いて楽しんでもらうというコンセプトから離れないように最終期限まで粘って作り上げました。残念ながら時間配分を間違えたためパースや全体の仕上げが大雑把なまま出展する形になりましたが、最後まで粘ってこだわった甲斐があったと心の底から思っています。
この貴重な経験は、努力が報われるものと自分に証明してくれました。この経験を糧にこの先の人生も自分の想像力を大事にし、挑戦することに怯まず、最後までやり遂げる根性のある人間に成長していきたいです。



東京都立農芸高等学校 緑地環境科

逸見 ミリージーン 様



過去受賞作品