DALL?E 2023-06-30 11.45.17 - Hydrangea on a rainy day park
梅雨に入りアジサイが咲き誇る季節となりました。

今日はそんなアジサイについてお話します。



日本に自生するアジサイは、大きく分けて3つの系統に分類されます。

ガクアジサイ
:原種アジサイの一つで、自生するアジサイの中では最も一般的に見られます。花の色は青や紫、ピンク、白と多彩で、土壌の酸度によって変化します。

ヤマアジサイ
:山地や森林に自生します。ガクアジサイに比べて花がやや小さく、花びらの形も少し異なります。また、耐寒性に優れており、比較的冷涼な地域でも育つことが可能です。

セイヨウアジサイ
:日本原産のガクアジサイがヨーロッパに渡り、そこでさまざまな品種改良が行われ、新たな品種として日本に逆輸入されたものです。大きな丸い花房を持ちさまざまな色と形のバリエーションがあることから人気で最近は庭園や公園でもよく見られます。


アジサイは古くから日本の自然に溶け込んでいましたが、古代や中世の日本では特に注目されることはありませんでした。実際、古代の歌や文学に登場する花の中にアジサイはほとんど見られません。一説には、花の色が変わるため「移り気」や「政権が変化する」などの理由で、昔は縁起の悪いとされていたようです。

しかし、時代が進み江戸時代末期になるとアジサイの魅力は海外で一気に認識されるようになりました。長崎がらシーボルトというドイツ人医師が帰国の際に欧州に持ち帰ったアジサイが、欧州で人気を博し品種改良が盛んになりました。また、各地でアジサイの新種が開発され、それらが色と形のバリエーションを増やす一方で、アジサイの魅力を一層引き立てました。

この時に改良されて生まれたセイヨウアジサイが大正時代に日本に逆輸入されて、日本国内でもアジサイの魅力が認識されるようになりました。

そして現代に至るまでに、アジサイはその美しさと多様性から高い人気を獲得し、日本の風景や文化に欠かせない存在となりました。今では、アジサイをテーマにした祭りやイベントが各地で開催され、多くの人々がその美しさを楽しみにしています。

アジサイの物語は、無視されていた花がその魅力を再認識され、日本の風景と文化に深く根ざすまでになった、まさに「発見の旅」です。その物語は、私たちに自然の中の意外な美しさを見つけることの大切さを教えてくれます。