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 引越しを機に自宅のインターネットの回線を10ギガの速度のものにしました。以前の住居ではプロバイダ選びが悪かったのか1ギガの回線のはずが数十Mbpsの速度しか出ず、その反動で速ければ速い方がいいだろうとの判断でした。


 最初に結論を述べますと、「10ギガはまだ時期尚早だった。。。。」というのが1年使っての感想です。
 
 ルーター、ハブ、LANケーブル、PCのポート等々を10ギガ対応のもので新調し、いざ回線速度を測ってみると。。。 7ギガを超える速度が出ました。宅内LANのジャンボフレーム化などの面倒な設定は一切せず、機器の更新だけでこの速度が出てくれるのは上々です。
 
 と、回線速度計測の結果に満足したところまでは良かったのですが、いざ実際に使用しながら時々速度をモニタリングしてみると、1ギガを超えることが無い。それどころか500メガを超えない。無理してファイル転送しながらYouTubeの4K動画を見たりしても最大で数百メガくらいにしかならない。1年使ってこれまでの間、回線速度計測時以外で1ギガを超えたのを見たことはありませんでした。
 


いろいろな要因が考えられます。
 

1ギガを超える速度で転送してくれる通信相手がいない


 WindowsUpdateなど大きなデータをダウンロードする時に速度が出てくれたら嬉しいのですが、そいういうところは大勢の人が同時にアクセスするのでひとつひとつの帯域に上限を設けていることが多く、それほど速度は出ません。
 

ドライブやファイルシステムがボトルネックになる


 ファイルをコピーする時はデータ量に応じて時間がかかりますが、実は「ストレージ上に新しいファイルをひとつ生成する」というだけで結構な時間がかっています。なので、1GBの大きなファイルひとつをコピーするのと100kBのファイル10000個をコピーするのとではデータ総量は同じですが後者の方が転送先で大量のファイルを生成するため遥かに時間がかかります。
 ネットワーク経由でフォルダをごっそり転送するといった場合でもそこがボトルネックになり回線速度が全く活きません。いったんひとつのファイルにZIPでまとめて送れば転送自体はかなり早くなるものの、それを解凍する際に結局大量のファイル生成が発生して時間がかかり手間が増えるだけになってしまいます。
 また10ギガを活かすには少なくともPCIe3.0、できれば4.0接続以上のSSDが必要で、SSDでもSATA接続だとそこがネックになります。またPCIe接続のSSDであってもキャッシュ容量を超えると速度がガクッと下がるタイプのものはそれがネックになる場合があります。
 

そもそも自分の用途では1GBを超える速度を必要としていなかった


 最近はもっぱら在宅勤務で、家から会社のPCをリモートデスクトップで操作し、常時Zoomで社内コミュニケーションをとっています。なのでさぞかし通信量も多かろう。。。と思いきや、画面の動きの激しい時でも数十Mbps、プログラムを書いてる間は画面の変化も少ないので1Mbpsにも満たない量しか転送していませんでした。
 仕事は会社にあるPCで完結していて、自宅のPCと巨大なファイルをやりとりすることもありません。またあったとしても上記の理由で10ギガの帯域を活かすことはできないでしょう。
 


 
 というわけで、4〜500Mbps程度の速度が安定してでていればそれで必要かつ十分で、1ギガ回線でもそれが満たされていれば全く問題ないという結論になっています。
 今後CPUやストレージが高速化していけば必要とする回線速度も上がっていくと思いますが、当面は自宅回線に10ギガは必要なさそうです。
 私の以前の環境がそうだったように回線が混雑していて速度や通信品質が悪くなるケースもあるようですが、その避難先としては2.5ギガや5ギガのプランが10ギガよりも安く提供されているのであればそちらで良さそうです。
 
 とりあえず10ギガ接続の安定感はハンパなく、何かあっても自宅の回線速度がボトルネックになる心配がなく、「クックックいいのかい? うちの回線は10ギガなんだぜ?」っていう心の安寧が得られるので10ギガ回線にして良かった。。。です。