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私の一日は一杯のコーヒーから始まり、一杯のコーヒーに終わる。
普段缶コーヒーやインスタントコーヒーを飲んでいるあなたに伝えたい、いい豆を使ったドリップコーヒーの魅力をお伝えします。


そもそもコーヒーの魅力とは何なのか、いくつかご紹介します。

まずは何と言ってもコーヒーの香り。
私が豆を買い、自宅でミルを使って粉にしドリップコーヒーを作るようになったのはつい最近のことなのですが、最初に驚いたのはその香りの強さでした。
焙煎所で買い、家に持ち帰って数日、豆の置いてある部屋は常にコーヒーの香ばしい香りが充満していました(これは本当はよくないのですが、後述します)。
豆を粉砕して粉にし、お湯をフィルターに注いで抽出する過程、果ては飲み終わるまでその香りは楽しめます。
また、豆ごとに香りは違います。それは普段インスタントや缶コーヒーを飲んでいた私がわかるほど違います。
ザ・コーヒーという感じの深い香りからガツンとくる強くとがった香り、果物やスパイスのような香り等々……
焙煎所で試飲等を初めてさせていただいたとき、それだけでもこれほどまでに種類があるのかと驚かされました。

次の魅力は、コーヒーを淹れる過程です。
豆を挽いている時に手に伝わってくる感覚や心地よい音。
通販等で電動のミルも売られていますが、まずは手回しから始めても損はないと思います。
お湯を注いでいる間に上る香り。あたたかな湯気とともに上がってくる香ばしい香りはそれだけで穏やかな気持ちにさせてくれます。そしてお湯を注いでいる時の粉の変化。完成したコーヒーを飲む瞬間。五感全てで楽しめます。
お湯を注いでいる間、コーヒーの粉は膨らみます。そう、膨らむのです。
ドリッパーの三分の一にも満たなかった量の豆がお湯を吸って見る見るうちに膨らみ、倍以上になります。この過程を眺めることには謎の魅力があり、毎回目が離せません。
もし個包装のドリップコーヒーをお持ちの方は次回淹れる際に顔を近づけてみてください。香りも相まって、コーヒーの楽しさがぐっと増えることでしょう。

次の魅力は、様々なコーヒーを試せるということです。
どれぐらいの濃さで淹れようか?
粗さはどうしようか?
量は? 等々……
これは喫茶店などではなかなか試せないことです。
自分が飲むために淹れるということは、自分以外は飲まないということです。わがままに味を調節することができます。
こうして自分の好きなコーヒーの雰囲気を探っていくことがとても楽しいのです。

そしてなんといっても時間。
お湯を沸かしながらミルを回し、沸騰したら注ぐ。この過程にこれだけの楽しさが詰まって5分ほどでコーヒーが完成します。
少し考えをまとめたい時や休憩などにはもってこいの時間です。
そして完成したおいしいコーヒーとともに作業に戻る。たまりません。


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様々なコーヒーを試せるという話から少し派生して、豆の選び方のお話もさせていただければと思います。
コーヒーは産地によって味が違います。酸味が強かったりコクが強かったり、好きなコーヒーがあれば苦手なコーヒーがあると思います。
焙煎所には様々なニーズに合わせた豆が用意されており、店員の方はその道の専門ですので、どのような味のコーヒーが好きかを伝えるとそれに沿った豆を紹介してくれます。
また、近年サブスクリプションコーヒーというものが誕生しました。そのサイトでは質問形式で好きなコーヒーへと導いてくれるシステムがありますので、そこでどのようなコーヒーが自分に合っているのかをある程度絞り込んでから向かわれるとより好みに合ったコーヒーと出逢えるかもしれません。
(直接リンクを貼るのは控えさせていただきますが、「コーヒー 診断」「コーヒー サブスク」等でWeb検索していただければヒットすると思います。)

専門店で買うのだからある程度の値段はしそうだと思われた方もいそうですが、実はそれほど高くはありません。
6〜8杯ほど楽しめる量の豆で700〜1000円ほどで購入できます。一杯あたり150円を下回ります。
もちろん、周辺機材をそろえる初期投資はありますが、ミル、ドリッパー、フィルターと最低限そろえても5000円程度です(その他器具を含め、こだわると4,5倍の金額にはなりそうですが)。
実は手の出しやすい趣味だったりします。
また、某フラペチーノ系のコーヒーショップでも豆が販売されています。そちらには各豆の特徴が書かれたポップが棚に置かれていることが多く、Webページでの紹介もありますのでこちらの方が探しやすいかもしれません。実は中々いい豆が使われていたりします。
こうして私は中米の豆と出逢いました。
中米の豆は酸味が少なくコクの深い豆です。後味に下に残る酸味がほとんどありません。後味が苦手という方にとてもオススメです。また、飲まずに冷めてしまってあまりおいしくない状態になるということもほとんどなく、淹れてから時間が経ってもあまり味が変わらず、ゆったりと楽しむことができます。
作業に没頭して淹れたのに全然飲めなかった、けど不味くなったからと言って捨てるのはもったいない……! といったことがほとんど起こらないわけです。


さて、ここからは失敗談になります。
焙煎所で買った豆は紙袋に入れて渡されます。持ち帰ってきて部屋中にコーヒーの香りが充満することに浮かれて、私はそのまま保管していました。
すると一週間もしない間に味に変化が出ました。また、風味も納豆のようなものに変わってしまっていました。
はい、豆は腐るのです。
複数種類購入していたのですが、すべてダメになりました。
そして再購入。今度は保管容器も購入しました(キャニスターというそうです)。密封容器です。
これもまた置き場所が悪く一部がダメに……。密封性を過信し、ケトルの近くに置いたのが原因のようです。
また、コーヒー豆は光にも弱いそうで、光を浴び続けるだけでもかなり味が変わってしまうそうです。意外と繊細なのですね。
豆の入ったガラスのキャニスターというものはかなり見た目がよく、インテリアとして置いていたのですが、そういった部分まで求める際にはさらに細心の注意が必要そうです。そもそも向かないのかもしれませんね。
今は湿度の影響を受けづらく、暗い場所である食器棚の中に保管しています。

ここまで長々と乱文をお読みいただきまして、ありがとうございました。
まだ少々語り足りない気分ではありますが、このあたりで締めさせていただきたいと思います。
もし、少しでもコーヒーに興味がわきましたら、ぜひ一度焙煎所へ足を運んでみてください。