CADに登録された商品のカラー組み合わせパターンは、メーカーが組み合わせを禁止しているパターンも、絵として表現できるような仕様になっています。ユニットレイヤーで商品色を設定する時は、かならずメーカーのカタログを御覧いただき、ご確認くだいますよう宜しくお願い申し上げます。

O7CADをお使いの皆様へのご案内となります。

O7CADのユニットレイヤーで、商品を配置し仕様を設定するとき、皆様、カタログを確認されてますでしょうか?

O7CADに限りませんが、CADは非常に自由度の高いツールです。
エクステリアの場合は、建築と比較して特に、様々な敷地形状、地盤高の変化、多様な建材の使用など、より複雑な条件が絡んでくるので、表現の幅が非常に大きいです。そのため汎用の3DCGソフトウェアに近い機能まで組み込まれています。
それこそ、現実にはない世界でも、イメージとして表現可能であるものならば、制約無しに制作する事も出来ます。

一方、実際の現場、そして使用する商品には、様々な制約があります。
構造的に可能なのか? 法的な制約は? 実際にある商品なのか?
それら現実との整合性を取りつつ、現場として成立する、実現可能なプランを制作するのが、エクステリア設計者の仕事でもあり、面白みでもあります。


さて話は変わりますが、アルミ建材の中では、色の組合せで要注意な製品があります。
フェンスAB_YS3型
写真は、LIXIL フェンスAB YS3型。上位機種のフェンスAAと比較してリーズナブルながら、木調のラインナップも用意され、隣地境界からファサードまで使える、人気のあるフェンスです。(写真はLIXIL エクステリア総合カタログ2021-2022より引用)

アルミ形材色のみでは、オータムブラウン色、シャイングレー色、アイボリーホワイト色、ブラック色、ナチュラルシルバー色と5色の中から選ぶことが出来、サッシの色などに合わせて、様々なスタイルの建物、外構様式に合わせることの出来る汎用性を持っています。

一方、木調では、クリエモカ、クリエダーク、チェリーウッドと、玄関ドアなどのトレンドと歩調を合わせてチョイスすることも出来、建築とトータルでコーディネートしたい場合には重宝します。

ただしカタログを良く見ますと、木調色の場合、上下桟と柱のアルミ形材部分は、シャイングレー色しか選ぶことが出来ません。同シリーズのYS1型、YS2型などでは、ブラック色と木調色の組合せも可能となっています。この点は、お客様のニーズや価格設定、他商品との差別化などからメーカーが判断した仕様なのでしょう。

O7CADで、こちらの商品を図面内に配置し、色の設定をする際は、まず「色1」をご覧になると思います。アルミ形材色のみで使用可能な5色が表示されています。「色1」では、フェンスの上下桟と柱の色を変更することが出来ます。
色1て?形材色を選ふ?
続いて、「色2」で横格子部分の色を選択します。こちらの選択肢には、アルミ形材のみの5色の他に、木調の3色を選択可能です。

今回、木調色とアルミ形材色の組合せをご提案したいと思ったとします。その際、ご注意頂きたいのは、カタログで確認いただけるように、木調色は、特定のアルミ形材色としか組合せが出来ない点です。
色2て?木調色を選ふ?
色1て?形材色を選ふ?2
ここで、アルミ形材色のオータムブラウン色等を選択してしまうと、実際にはあり得ない組合せの商品となってしまいます。

CADの汎用性、自由度の高さが招く危機です。

このまま、成約、着工、発注まで行ってしまうと、ギリギリになって発注出来ないことに気が付くことになってしまいます。
例として部材デザイナーでの設定を挙げましたが、リアルタイムパースのテクスチャ設定、eE-Formerでの形状変更でも同様です。CADの自由度の高さ故に、実際には販売していない仕様の商品も配置出来てしまいます。

こうした事態を防ぐために、O7CADでは、CAD上から手早くカタログを確認出来る機能を取り入れています。部材デザイナーからe-toko建材カタログを見る、O7CAD2.5以降で導入された建材情報ストリームで確認する、など、一手間となりますが、後のトラブルを防ぐ仕組みを組み込んであります。

ただし、e-toko建材カタログの情報も、大変申し訳ないですが完全ではありません。メーカーの公開したカタログ情報等から随時更新を行っていますが、どうしてもタイムラグが発生しますし、人の手でやることですのでミスが紛れ込む可能性もあります。

つきましては、O7CADユーザーの皆様には、製品配置の際、きちんと最新のメーカーカタログを確認いただきますようお願いしたいと思います。

もちろん扱い慣れている商品の場合は仕様もよくご存じでしょうし、よくメーカーの情報を入手されている方なら、変更があればきちんと把握されていると思いますので、都度確認の必要は無いかも知れません。ただし、まだ良く知らない商品、初めて提案してみる商品の場合は、ベテランの設計者様でも、メーカーカタログで念入りにチェックされることをお勧めいたします。


冒頭部分でも少し申し上げましたが、設計者である皆様は作図したプランに、創意工夫を盛り込み、センスと知識の限りを尽くしてプランを考え、提案図面を作成されていると思います。常日頃より、少しでも居心地の良い住まいをお施主様にお届けし、適切なコストで現場が仕上がるように、努力されていると想像いたします。O7CADはその作業をお手伝いするツールです。私自身もエクステリアのプランニングを30年以上手がけてきた設計者の端くれですので、常に心がけていることでありますが、完成したプランの責任を負うのは、設計者である自分を置いて他にありません。商品の仕様を念入りに吟味し確認するのも、その責任を果たすための一つの作業手順と言えるかと思います。

皆様の手で、素晴らしいエクステリア、ガーデンが完成するのをアシストするべく、O7CADも常に進化し、お役立ち出来ますよう努めております。至らぬ所もまだまだございますが、今後ともご愛顧の程をお願いいたします。