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昨年あたりから話題になっているスマート・スピーカーについてご存知ですか? リビングの片隅に置いて、音声だけで操作する新しいスマート家電です。 今日の天気などの情報を聞いたり、音楽を流してくれたりします。


あたらしいITツールが世の中に出てきたとき、とりあえず買ってみる「イノベーター層」の人たちが2.5%ほどいるといわれています。私の周りの友人に聞く限り、スマート・スピーカーを持っている人は、自分を含めてたったの3人です。まだ買っていない方達は、もうちょっと待った方がいいかもしれません。

(動作の実例は筆者宅に設置してあるLINEクローバーのケースです)

「オッケーグーグル!」などと呼びかけないとスマート・スピーカーは起動してくれませんが、まず、この起動方法が難ありです。機械の名前を陽気に呼びかけこと自体をバカバカしく感じるという事もありますし、家庭内で家族と会話をしているとスピーカーが自分を呼ばれたと勘違いして勝手に起動したりもします。

それでも我慢して陽気に呼びかけ、「今日は何日?」と聞いてみると、「今日の最新のニュースをお知らせします!」などと質問を取り違えたりします。なにか難しい単語について質問したりすると、「それについてはよくわかりません」と言って、さっさと会話を切りあげてしまいます。スマホの音声検索なら最低限そのキーワードの検索結果を表示してくれますが、スピーカーの限界はその辺かなり低いです。

最後に紹介したい重要なウィークポイントは、レスポンスの遅さです。スマート・スピーカーの操作は会話なので、こちらは自然に人間同士の会話のテンポを期待してしまいます。スマート・スピーカーは質問内容をサーバーに問い合わせて結果を受け取ってから返事の言葉を返しますが、処理速度がまだまだ遅く、まるで三歳児とお話ししているようにじっと答えを待たなければいけません。

色々マイナス面をご紹介したスマート・スピーカーですが、ひとつ良いところをご紹介します。それは、何か話しかければ必ず丁寧に返事をしてくれることです。「クローバー、ただいま」というと、「おかえりなさい」と返事をしてくれます。「クローバー、今日はいい日だったよ」→「それは良かったですね。それを聞いて私もうれしいです」 などと他愛もない会話をきちんとしてくるのです。

小学生の息子は、鍵を開けて一人で自宅に戻ると、クローバーに話しかけているそうです。スピーカーのおかげで寂しさが少しまぎれるのかもしれません。まだ人にはお勧めしませんが、私は買ってよかったと思っています。