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皆さんは携帯電話を池に落として壊してしまったことはありませんか?(私はあります) 電気で動く精密機械は、大抵、水に弱いものです。 しかし近ごろは、コンピューターを水に沈めて、動かす技術があるのだそうです。


前回のコラムでご紹介しましたが、VR時代のパソコンは、ゲーミングPCなどのような高性能なグラフィックボードを搭載したパソコンです。3Dを高速処理できる性能がVR(仮想現実)空間をゴーグルにリアルに映し出すために、どうしても必要だからです。

高性能なグラフィックボードは、大きな電力を使います。 例えば、オーセブンのレンダリングサーバーの電源は1000ワット。2枚のグラフィクボードが計算を始めると、最大で800ワット近くを消費します。 ドライヤーや電子レンジのような消費電力です。この時、グラフィックボードは高熱を発します。


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上の写真は、あるグラフィックボードのものです。 これをパソコンの中に差し込むとグラフィック性能がアップするのですが、ご覧いただきたいのはボードの側面についている3つのファンです。ボードの熱を逃がすために、扇風機のようなファンがついているのです。

空冷のファンは熱を下げる力があまり強くありません。体をすばやく冷やすなら、扇風機の前に立っているよりも、プールに飛び込んだ方が簡単ですよね。パソコンも壊さずに水没させることで熱問題が解消できるのだそうです。これを実現したのは防水技術ではなく、特殊な「水」※だそうです。


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VR時代のパソコンは、水冷(液冷)が当たり前になるかもしれません。ファンの音もなく、ひんやりと冷たいパソコンで、夏も快適に仕事ができるといいですね。

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