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今の時代、ガマの油売りを信じて軟膏に飛びつく人はいないでしょうが、見たことのない商品を巧みな話術で実演販売されると、つい買ってしまうことがあります。 自宅に持ち帰ってみると、実は思ったほど良いものではないことに気づきます。ここに潜んでいるのが情報の非対称性です。


ものを売る人は商品の良いところも悪いところもわかっています。仕入れ値ももちろんわかっています。悪いところをできる限り隠してより高い値段で販売しようとします。街頭で大声を上げる実演販売だけではなく、スーパーマーケットでも、八百屋でも、家具屋でも、貴金属店でも同じことが行われています。商品に関する情報をできる限り隠すことで、より大きな利益を上げることができるからです。

ところが、インターネットという革新を得て、情報の非対称性に大きな変化が生まれました。インターネットを使えば商品に対する情報は読み切れないほどに集まってきます。嘘も本当も混ざっていますが、十分に多くの情報に目を通せば、見知らぬ販売員から買うよりは信頼できるでしょう。インターネットの普及によって価格が下がっていく大きな要因は、ここにあります。情報の非対称性が弱まって、販売員は駆け引きの材料を失っているからです。

しかしながら、良いものを正しく販売している企業にとっては、情報が対称になることは逆に望ましいこととも云えます。ホームページに施工事例や工事費用などを掲載している工事店さんがエンドユーザーに信頼されるのはその為です。情報を隠してうまく儲けようという時代から、情報をオープンにして見知らぬたくさんの人からの信頼を勝ち取る時代へ変わっているのです。

情報をオープンにしてお客様とのネットワークを活性化させることが、インターネット時代にビジネスを成功させるポイントです。ホームページも、より積極的に情報発信する姿へリニューアルする時期かもしれません。工事の方法や実際の施工例、参考価格などを積極的に開示して、情報の非対称性を解消することで新しいビジネスが生まれるでしょう。