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兵庫県の路上で70歳過ぎの男性が突然姿を消し、2年後に見つかったという事件が報道されました。男性は痴呆症を患っており、ご自宅の住所や名前などを伝えることができなかったのが原因のひとつでした。 しかし、本当の問題は他にあったようです。

男性が行方不明になったとき、ご家族はすぐに行方不明者の届け出を出しました。警察にはご本人の写真も提出して捜索を依頼しましたが、成果は上がりませんでした。 実は男性は、三日ほど彷徨った後、隣の大阪府で保護されていました。

老人を保護した大阪府警は、すぐに迷い人照会書を作成して、全国に手配しました。 この情報は兵庫県警でも確認され、行方不明者届と比較して男性の身元が確認されるはずでした。しかし、兵庫県警での照会手続きは簡単なものではありませんでした。

データベースは後から探しやすいように情報をしまっておく方法ですが、情報を入力したときには考えてもみなかったやり方で後から引き出したくなるものです。 たくさんの情報が入っていたとしても、それをうまく探し当てられなければ、意味がありません。 兵庫県警では人力で目視による比較照合を行っていました。 住所や氏名などの通り一遍の情報では、行方不明者の情報を照合することができなかったためです。

イギリス警察やFBIは犯罪捜査に顔認識システムを採用しているといわれています。現場の防犯カメラの映像と、犯罪歴のある者の顔写真との照合などを高速に行うことで成果を上げているようです。ひょっとすると、兵庫県警の写真と、大阪府警の写真をこのシステムにかけたら、一瞬で同一人物と照合してくれたのかもしれません。良いシステムを導入すると、その日から成果が上がります。最新ITを恐れず導入して、実績を上げてほしいものです。