葉牡丹
今ネット上のニュースサイトが燃えています。iPadなどタブレットが普及し立ち上がりの速さと操作性の向上も後押ししています。デバイスがニュースの世界を変え始めています。いわゆるマスコミの存在が変わろうとしています。与えられるニュースではなく自らチョイスする面白いニュースサイトを見てみましょう。

その一つが HUFFPOST LIVE です。これはHUFFINGTON POST 紙( http://www.huffingtonpost.com/ )の動画版です。アメリカ全土から選ばれた多彩なコメンテーターが話し合う番組です。一人司会役としてリビング風のスタジオに居ますがコメンテーターはSkypeなどネット中継で全米中から参加しています。座談番組で、例えば医者と患者と評論家など一つのテーマに関係する人を集めています。視聴者はTwitterなどで参加できる仕組みです。ニュースを市民目線で発信しようという番組です。

次に面白いニュースサイトは FlipboardSkyGrid です。これこそタブレット専用のニュースサイトとして作られました。多方面に渡るニュースソースを一つにまとめ オムニバス・動画ニュースサイトを作り、これも新鮮さを感じさせます。

新しいニュースサイトは 動画を積極的に導入し 原稿やそれを読上げたりするのではなく 現場からの速報性をより強調しています。記事は発生時間の順番で並べらられ、マルチメディアのデジタルニュースになっています。受け手は事前の設定で情報のジャンルだけを受け取ります。又、FacebookやTwitterで情報を共有することができるようになっています。

好調なニュースサイトがある一方 従来型のニュースをタブレット対応の電子新聞「ザ・デイリー」にしたものは昨年末廃刊に追い込まれました。また米週刊誌「ニューズウィーク」は、この1月から電子版に完全移行、紙媒体の歴史に幕を下ろしました。従来型のニュースサイトは大変厳しい状況に追い込まれているようです。

形ばかりをタブレットで見れるというだけでは信頼を得られません。単独のニュースサイトに有料でアクセスするより 自分の見たい知りたい情報を自由に選んでスマートに見れることを望んでいます。無料であれば尚更です。

日本にも早晩この流れはやってきます。日本の新聞やTVはいかに対応するのでしょうか。新聞・TV離れは若者だけではないようです。見なくなっている人は多くなっています。

タブレットは確かにニュースサイトのあり方を変えました。しかし タブレットの利便性でニュースサイトを選んでいるのではないでしょう。ニュースサイトの選択は、情報の信頼性です。その選択は ひとえに「真実の報道」かどうかで選んでいるのでは無いでしょうか。嘘つきTV 嘘つき新聞と揶揄される昨今 民主的で透明性のある報道であるかどうかが問われます。視聴者目線での報道をしなければ見放されることになるのは間違いありません。タブレットというデバイスの出現がマスコミを追い詰めています。誰かが作為的に行っているのではなくまさに時代の変化です。逃げられない変化が起こる中 自ら変革を起こした者のみが次の時代の担い手として受け入れられるのではないでしょうか。