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一条工務店オーナーの大澄氏が津波堤防の建設費として300億円を寄付しました。会社創業の地、浜松の海岸17.5Kmの建設費相当分。新聞やテレビに一切宣伝をしないで1万棟/年を建設しています。浜松で創業し発展し その恩返しとニュースは伝えていました。


一条工務店の成功の鍵は 住宅のユニクロ版を実現したことでした。ユニクロと違うのはマスコミでの宣伝をしなかったことです。
日本で住宅の海外生産を一番早く手がけました。浜松発祥の会社なので東海地震に耐える家を作ることが会社目標でした。同時に浜松にある本社工場が巨大地震で生産が困難になるのをさけるためでもあったのでしょう。(3・11後、海岸に近かった本社工場も移転させました。)

フィリピンに1万7千人の工場があり、自らの発電所を持ち、住宅建設に必要な材料・部材はこの工場で生産しています。人件費の安さが武器になります。製販分離の体制で、生産と開発はマニラ、販売は日本の一条工務店が担当してます。

新しいことを果断に行う一方、リスクとして起こるクレームにすぐ対処するため内部留保金を準備してきたのでしょう。宣伝するより内部留保する。今回の300億円は品質向上でクレームが少なくなってきたので改修準備金?を取り崩してもという自信のあらわれかもしれません。宣伝しなかったお金を寄付したとも云えます。

巨額の内部留保金に甘えて会社経営が鈍ることをオーナーとして嫌い、それを一挙に減らして社員に警鐘を与えたのかもしれません。非上場、オーナー会社の凄さですね。裸一貫になって目を覚ませという気合なのかもしれません。

一条工務店は実質的に世界一の戸建て住宅会社と言えるでしょう。マスコミに顔を出さないので知る人は少ないと云えます。日本の住宅技術を世界に展開できる可能性が一番高いのは一条工務店かもしれません。

日本の住宅産業は展示場で営業マンが待っていて住宅を販売するという、ガラパゴス住宅販売です。販売経費がやたらかかりすぎるこの方式では、もうやってはいけないでしょう。

今回の一条堤は戦後住宅産業の 総決算かもしれません。今までの住宅産業の勝ち組として社会貢献ができたとう歴史に残る事業、金字塔だといえます。しかしこの一条堤は、いままでのやり方では立ちいかなくなる住宅産業のターニングポイントだった、と後世言われるかもしれません。

今回の消費税アップを最後として これからの日本の住宅販売モデルが変わることでしょう。
解決策は住宅販売のIT化です。住宅の情報革命がどのょうなものになるか どんな方式が顧客に受け入れられるものかさまざまなチャレンジが期待されます。チャンス到来ともいえますね。