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 前回の07ダイレクトでは、塀断面図の簡単な機能について、紹介させていただきました。今回は、いつもと少し趣向を変えて、開発中のお話でもしようと思います。

「塀の断面図を描きたい。」
と、いうご要望は、バージョン8を開発していた頃からいただいていました。ただ、当時は、この機能を実現するのに開発期間がかかりすぎる、という判断で開発を保留にした機能でもありました。

 このようなことがあったため、「塀断面図」機能はオーセブンCADの次回案件として持ち越されました。その後、バージョン8.5の開発プロジェクトが立ち上がった時に、再び「塀断面図」機能を付加しようという動きになったのです。

 ですが、バージョン8の時に開発を断念しただけあり、予想通り開発は難航しました。バージョン8自体にもともとそのような機能はなく、改良する手段も無かったためです。そこで、白羽の矢が立ったのが、eE-Formerの平面編集機能でした。

 eE-Formerは、バージョン8から搭載されているツールですが、バージョン8の機能だけでは作図することが難しい製品作成や編集を行うことができます。
 製品作図が可能ということは、当然、平面上で線や多角形を作図できることになります。そこで、この平面作図機能を使って「塀断面図」を表現できるのではないか、ということになり、開発に着手したのです。

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 開発方針が決まった後は、毎度のことですが、操作性を決める必要があります。この操作性の善し悪しで、商品の善し悪しが決まると言っても過言ではありません(中身が良くても、難しくて使ってもらえないのでは意味がありませんので)。ここでは、作図実績10万棟のCAD設計作図支援サービスに従事している07設計部と共同で作業を進めていきました。

 作図依頼主であるエクステリア造園会社のご担当様とプラン打合せをさせていただく経験は、作業分野が異なるプログラム開発部門にとって別世界のもの。≪現場の声を反映させる≫には、設計部と作業を進めていくことが必要なのです。もちろん、意見の違いも出たりしましたが、優先事項と妥協点を調整しながら、「塀断面図」機能をバージョン8.5に実装させていったのです。

 こうして作業を進め、ようやく「塀断面図」機能が形になったのは、2009年も残りわずかの頃でした。当初、2010年の2月頃には機能を公開する予定でしたが、お客様の使い勝手を優先して、検証期間を十分に取ることにしました。

 その際には、埼玉県下の弊社ユーザー様にもご協力いただきました。実際に機能を触っていただき、「塀断面図」に関する設計上のポイント、仕様としての表現上のポイント、データの確認など、多岐にわたりご教授いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 おかげをもちまして、今週から来週頃に「塀断面図」機能を公開させていただきます(現在、最終確認中)ので、ご活用いただければ幸いでございます。