株式会社庭蒼
お客様がイメージしやすい図面を簡単に作成
長野県塩尻市で、落ち着きのある個人邸から店舗や商業施設、空間装飾まで、造園の技術を生かした庭づくりを行う株式会社庭蒼の熊谷崇(くまがい たかし)代表を取材。
造園会社としてオーセブンCADを使うメリットや今後の目標等について、設計の柳原千春さんにも同席いただきお話しをお伺いしました。
>創業と同時に「オーセブンCAD」を導入。登録樹種も充実し、造園の提案でも十二分に活躍
株式会社庭蒼の代表の熊谷崇氏は、10代で職人として長野の造園会社に入社。8年間の修行の後、2006年に独立し、その後社員を増やして2015年株式会社庭蒼として法人化。
現在は社員11名の造園会社で、長野県内を中心に、高い造園技術を生かして個人宅の庭から、店舗・商業施設の庭まで自社による一貫設計・施工を行っている。
「私が最初に『オーセブンCAD』を使い始めてからすでに20年以上経ちますね。
修行した造園会社では、当然手書きの図面も勉強しましたが、当時からお客様に提案するのは、確実にCADの方がいいと思っていました。
造園は現場の状況に合わせて施工するので、現場で変更になることが多い。パース図面はあくまでもお客様にイメージしていただく説明のためのツールなので、手書きで時間をかけて苦労して綺麗な図面を描くよりも、簡単に手早く、それでいてお客様がイメージしやすいパースを作る必要がある。そういう意味でも、デジタル化してすぐにお客様に提案することができる『オーセブンCAD』を庭蒼でもいち早く導入しました」(熊谷代表)。
修行した造園会社では、当然手書きの図面も勉強しましたが、当時からお客様に提案するのは、確実にCADの方がいいと思っていました。
造園は現場の状況に合わせて施工するので、現場で変更になることが多い。パース図面はあくまでもお客様にイメージしていただく説明のためのツールなので、手書きで時間をかけて苦労して綺麗な図面を描くよりも、簡単に手早く、それでいてお客様がイメージしやすいパースを作る必要がある。そういう意味でも、デジタル化してすぐにお客様に提案することができる『オーセブンCAD』を庭蒼でもいち早く導入しました」(熊谷代表)。
「たまに入ってない木もありますけど(笑)、樹種はかなり充実しています。
会社では在来の植物を使うことが多くてその辺りの樹種は問題なく網羅しているので十分に間に合っています。
後は、弊社ではお庭によっては40〜50本の木を入れることもあるのですが、『オーセブンCAD』はその一本一本の説明をQRコードで入れることができるので、それはすごく役に立っています」(設計の柳原氏)
「私が最初に使っていた頃から比べると『オーセブンCAD』も、アップデートされてすごく良くなりました。
今は設計に任せて自分が書くことはなくなりましたが、昔よりかなり使いやすくなっているようですし、図面も綺麗になって提案力も上がっているので設計の段階でお客様にもすごく満足してもらっています」(熊谷代表)。
>自然素材と緑、コンクリートとアルミを互いに引き立てる提案模索。造園とエクステリアが協力し合える関係も
高い造園技術を誇る庭蒼だが、熊谷代表は、造園ももっとエクステリアから学ぶべきところがあると言う。
エクステリアの商材でも良いものが出てきているので、緑や自然素材のような経年変化するものと、比較的変わらないコンクリート製品やアルミ商材とを、互いに引き立てる仕掛けとして提案したいという柔軟な考えの持ち主だ。
「私たち造園側の人間は、どうしても自然素材がメインなので、土に帰らないものは使わないとか、アルミの木目調はフェイクでごまかしだとかいう、固定概念みたいなものがあったりします。
エクステリアの人たちは、時代に合わせてコンクリートやアルミを上手く使って綺麗な緑を入れて、都会的な魅せるデザインをされているのですごく参考になりますし、エクステリアの方々の柔らかな考え方を、私も少し見習って取り入れていけたらいいなと思っています。
自分が勉強してきた造園とは違いますし、工事をご依頼いただくお客様も自然な雰囲気を求められる方が多いので今のところあまり機会はないのですが、今後、都会的なかっこいい庭にチャレンジしてみたいという気持ちはあります。
また、長野でも造園業者とエクステリア業者の間で、情報交換する機会がなかなか少ないので、もっとお互いに協力し合うような関係性ができるといいですね」(熊谷代表)。
>様々な価値観を持った職人が在籍。女性社員も活躍する会社にしていきたい
現在庭蒼は、職人8名、設計が1名、広報兼営業担当が1名、経理1名という陣容で、一部カーポート工事などは外注することもあるが、庭づくりは自社による完全一貫設計・施工で行っている。
8名の職人さんは、40代1名と30代の2名以外は、皆20代と若い集団だ。
また、当初剪定の仕事は自社で手がけた庭のみだったが、熊谷代表が師匠からしっかりと教わってきた剪定の技術を若い職人に伝えていくことの必要性と、剪定の技術を覚えることが職人の独立するためのスキルにも繋がるので、今は剪定のみの仕事も受けるようになっているという。
「ここ3、4年は『庭蒼』の名前が知られるようになってきて、県外から知識と技術を身に付けたいという職人が集まるようになりました。
以前の造園業界では、職人は師弟制度で5年間とか修行して技術を身に着けたら独立させるのが当たり前でしたが、向き不向きもあるので、今は独立したいのであればサポートするというスタンスです。その人の人間性も見て独立に向いているかどうかを見極めて伝えるのも私のすべきことだと思っています。
働き方も時代とともに変わるので、現状は造園の仕事に対していろんな価値観を持った職人が在籍しています」(熊谷代表)。
熊谷代表は、これから造園業界自体が将来性のある業界なのかを気にかけており、若い職人たちが向かう方向性も見極めていかなければならないと考えている。
また、庭蒼では、ホームページや、「YouTube」「公式LINE」「instagram」にも力を入れており、現在「instagram」には、1.3万人のフォロワーがいる。
熊谷代表自身、創業当時から「モノづくり」を発信し、かっこよく見せることが大事だとデザインと見せ方にこだわってきたが、SNSでの本格的な発信は、広報兼営業担当の女性社員が入社してからのことである。
庭蒼で最初の女性社員は「オーセブンCAD」を使っている設計の柳原氏だった。
元々プログラマーの仕事をしていたが、「造園の世界の方が楽しそうだ」と感じ、庭蒼の設計に転職した。
「私は、庭蒼を女性も活躍する会社にしていきたいという思いがあります。
最初に柳原さんが入社して、その後広報兼営業担当と職人の2名の女性が入ってきました。女性の職人さんもいい意味で負けず嫌いで、頼もしく頑張ってくれています。柳原さんも『造園の世界の方が楽しそうに見えたから働きたい』と思って入社してくれたのはすごく嬉しいですね」(熊谷代表)。
雨に濡れることで美しく見える庭は、
地元天竜川の川石と苔やヤマアジサイ等があしらわれている
月刊エクステリアワーク|2023年10月号掲載記事
株式会社庭蒼
http://niwaso.jp/
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http://niwaso.jp/