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ミツバチは3Dプリンターの大先輩です。断熱性・防水性・構造耐力も十分な子育てカプセルと食料貯蔵庫を作り出します。 自然は知恵の宝庫です。よく見れば、生物は3Dプリンターの原理を活用して生きているとも云えます。今年の米議会 年頭教書でオバマ大統領は3Dプリンターの研究開発を進めると発表しました。3Dプリンター研究所も立ち上げ力を入れ始めています。

意外な分野では 食肉を3Dプリンターで作る研究が進んでいます。アレルギーなどへの対応、不足しがちな栄養を補強、宗教上の制限をクリアする食肉など活用範囲は広がりそうです。ユニークで新しい食品がぞくぞく出てきそうです。またNASAでは宇宙でも食べられるビザの開発を始め火星旅行に備えているそうです。

医学分野も進んでいます。義手、義耳、入れ歯、人工気道、人工血管や人工関節など実用化段階です。最先端のEPS細胞を3Dプリンターを使って人工臓器の研究開発も行われています。肝臓や腎臓などの人工臓器をその患者の細胞から作ろうとしています。出来れば人体間移植に代わる医学的には大革命になります。

製造業では本格的な開発が行われています。3Dプリンターでは完成品まで一発で作ることができるので 長大な生産ラインに代わり工場自体が小さくなり 消費地に近いところで生産できます。シャッター通りにも出来るかもしれません。顧客の個別の要求に簡単に対応できます。今までの大量生産に代わり全く新しい方式が生まれてくるということで 第三産業革命といわれる所以です。型を使った大量生産方式からデーターからダイレクトに生産する方式に大転換が起きそうです。

個人用の簡単な3Dプリンターも発売されています。これから小物やアクセサリーなどの3Dデーターのネット販売も多くなるでしょう。自分の指のサイズに合うようにデーターを加工してピッタリ合う指輪が手に入ります。フィギアーもデーターを買って作る人も多くなるかもしれません。

普及とともに問題も出てきています。物騒なのは銃です。3Dデーターを入手して実際に銃が作れます。(材料費6000円)10発程度なら発射できるそうです。米国国土安全保障省がネットでの銃データーの規制は事実上できないとお手上げの状況のようです。

もう一つの問題は3Dスキャナーで本物からすぐにコピーが複製できることです。フィギアーなどは簡単です。データーの著作権の保護など新しい問題も出てきそうです。夢だけでなく解決しなければならない問題も沢山ある3Dプリンターです。

さて我々に関係する 建造物を3Dプリンターで作ろうという試みも現実化しています。3Dプリンターでは型枠なしで複雑な形状を作り出せるので 部材や部品、スターチュウなども簡単に作れるように成ります。最近流行りの曲面を多用した建築や構造物への採用が実用段階です。 面白い形状の部品や 現場では出来ない形の製品などが作られています。 造園や外構の分野での実用化も間近では無いでしょうか。

3Dプリンターの活用として 3D模型をプレゼンに使えるようになるでしょう。弊社CADデーターを3Dプリンターに取り込むことができます。樹木などは、当面はジオラマ用の樹木部品が現実的ですが面白くありません。3Dプリンターに合わせた樹木データーなどの研究も手がけなければと感じているところです。また現場部品の制作 そして現場建設に3Dプリンターを活用する時代もやってくるかもしれません。

オバマ大統領が年頭教書で打ち上げた3Dプリンター革命は着実に世界を変え始めているのでは無いでしょうか。