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かの有名なNECのパソコンPC-9801が発売されたのが1982年だそうです(ご存じない方も多いでしょうが)。日本のパソコンブームがスタートした時代です。

80年代、日本で家庭用のパソコンとしての商品がいろいろと出てきました。SharpのX1、富士通のFM-7、NECのPC-8801などの8ビットマシンが各メーカーから発売され、学校のクラスでも何人かは自宅にパソコンがある、という時代でした。

その頃のパソコンは高価なおもちゃといった印象のものが多く、プログラミングをしたりゲームをしたりできるものの、実用的な用途は乏しくゲームとしても任天堂のファミコンには及ばないといった状況でした。それでも未来に道具に触れているという感覚は人々を夢中にさせました。

80年代の中で、初めて実用的に研究者やビジネスの世界で広く使われたパソコンが、このPC-9800シリーズではないかと思います。家庭用のパソコンとは一線を画した16ビットで、Windows95が出てくるまではパソコンといえば98(キューハチ:PC-9800シリーズの愛称)でした。

同時期、他メーカーからも高性能のパソコンは発売されていました。価格や性能で見ればほとんど変わらない商品もたくさんありました。しかし、ユーザーに選ばれたのはPC-9801でした。当時パソコンがちょっと好きな少年だった私にも、キューハチへの憧れがありました。

その頃、パソコンのソフトは秋葉原などの店舗で販売されていました。ソフト販売店は今で言うとSwicthやPS5のゲーム売り場、あるいは、書店のような感じで、パソコンのソフトはカセットテープやPDに記録されて、ハードカバーサイズの箱に入って陳列されていました。

箱にはソフトの対応機種が記載されていますが、PC-9801の互換ソフトが棚にズラリと並んでいたのを記憶しています。沢山のソフトが使えるのがPC-9801の特徴で、それが消費者に選ばれた最大の理由でした。パソコンはやっぱりソフトですね。