2012-12-24 11.17.51 /
最近、安倍首相が自動走行実験のパフォーマンスをしたというニュースがありました。首相は「素晴らしい夢の技術」と持ち上げました。しかしこれは世界から遅れている焦りがトヨタ、日産、ホンダの3社が政府に働きかけたのではないでしょうか。「日本を世界で最もイノベーションが起こりやすい国にしたい」と強調したというが現実は全く逆?では無いでしょうか。

国会審議中の産業競争力強化法案にはこうした実証実験をしやすくする規制緩和も盛り込んでおり、首相が率先して実験に参加することで法案の早期成立を訴えた形ですが、どこまで規制の緩和が進むか注目です。

世界での自動運転の技術開発はかなり進んでいます。車単体での開発ではメーカーの努力でそれなりのものがすでに出来上がっていると云えます。一番ポピュラーな技術は追突防止技術です。また高速道路のように走行ラインのある道ならそのラインの中央を走行する技術、一定速度で前の車両をロックオンして追従する技術、など標準装備された市販車も出ています。

博覧会などでは運転手の居ない自動走行バスなども有りました。イギリスケンブリッジでは専用道路で運転者の居ない自動走行車を2017年に実用化する段階まで開発が進んでいるようです。さらに自動運転車の技術開発は車メーカーよりGoogle等のIT企業にリードされていると云えます。
限定された高速道路では問題は簡単に成ります。一人のドライバーで複数台のトラックを数珠つなぎ状態で運転することは現在でも可能になっています。道路と車、車と車が相互に通信をすることができるようにり GPSで位置と速度と方向の情報を交互に交信しながら運転できるようになれば 自動運転の安全性はかなり確保されてくると考えられます。

自家用車が街なかを自動運転する技術はかなりハードルの高い問題を抱えて居ます。完全で最新の地図情報と車と車、車と人とが交信しながら路上を動き回るネットワークシステムが実現できれば暗い夜道での出会い頭の事故も無くすことができるようになるのでは無いでしょうか?

パソコンはその単体での開発が進み さらにネットワークが広がり、世界に繋がることで 素晴らしい道具になってきました。車の自動運転は道路と走る車と人がIT化により情報のやり取りをができるようになった時 市街地であれ山道であれ安全な運転が可能に成るのでは無いでしょうか。
情報化時代は情報機器単体での能力だけではなく ネットワークによる情報交換こそ難問を解決できる道具になると云えます。しかしそれを実現するには機器のハードな開発だけでは不十分です。社会全体のシステムをどう構築し運用することを決めない限り 実現は難しいと云えます。安倍首相が「世界で一番イノベーションが出来る国にしたい」と発言した。自動運転車はハードの技術力ではなく 社会全体の夢やビジョンを政治家が持って立案し、実現する意欲を持つこと、そして実現するリーダーシップこそが決め手になることを 今回車メーカーは突きつけたと云えるのでは無いでしょうか。政治が停滞して何も出来ない日本から脱却することこそ経済復興に繋がることなのだと、政治家が問題解決のため真剣に向き合ってほしいものです。