企業ITを本格的に活用するためには、従業員の躾(しつけ)が必要です。特に、仕事の実体を把握するシステムなどは、使う側がきちんとしないと力を発揮しないばかりか、かえってマイナスになりかねません。

オーセブンの社内管理システム(e-Kan)の導入においても、この躾の問題に苦心しました。

e-Kanは、導入時からほとんど現在の形で出来上がっていましたが、そこから読み出せる情報の中には信頼性に欠けるものも多くありました。それは、システムの信頼性のことではなく、入力された内容が信頼できないというものでした。



e-Kanには「個人看板」という小さな画面があります。これは、従業員一人ひとりが、「今自分が何をしているのか」を入力するためのものです。電話をしている最中は電話ボタンを押し、作図作業をしているときは作図ボタンを押すという具合に使います。これは、各人のパソコンの画面上で操作できますが、あわてて電話に出たときにうっかりボタンを押し忘れるということがあります。

本来は、「電話ボタンを押さないと電話に出られない」仕組みがあれば解決するのですが、それにはとてもコストがかかり、おいそれと導入できるものではありません。

今あるシステムを最大限に使いきろうとしたとき、そこには必ず従業員の躾が伴います。オーセブン設計部では、電話ボタンを押すのに3年かかりましたが、現在ではかなりきちんと使いこなしています。

ボタンを上手に押せるようになると、作業統計の信頼性が高まり、改善項目を正しく現われてきます。