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今日から9月に入りました。
防災の日ということで、忘れがちなバックアップをしてはいかがでしょうか。
今回はバックアップの必要性ではなく、よくある質問に時勢を踏まえてバッアップに関係するポイントや注意点をご紹介します。



◆バックアップのポイント
 ・同じドライブにバックアップしてはいけません
  バックアップ元とバックアップ先が同じドライブでは故障したときにバックアップも一緒に壊れてしまいます。
  デスクトップやマイドキュメントはほとんどの方が「Cドライブ」です。
  また1台のハードディスクを複数に分割してCとDに振り分けているものもありますが、その場合はCもDもバックアップ先にしてはいけません。

 ・ネットワーク上にファイルをおいて直接使うのは危険です
  バックアップが面倒だったり、PCを固定しない便利さがあるので、ネットワークドライブにファイルを置いて直接使う方法もありますが、ネットワークが不安定な状態で保存するとファイルが途中で切れて壊してしまうことがあります。特に無線LAN(WiFi)でのデータ欠損の報告は多いです。



◆今も一定数あるハードディスクの故障
 「これだけ技術が進歩しているのだから故障なんてしないでしょう」という声を聞きます。
 しかし、実際には一定数の故障してしまった方はいます。
 これを裏付ける資料がBackblazeというオンラインストレージサービスを提供している会社が2016年2月に発表した「2013年第2四半期から2015年第4四半期までに運用していた約5万6000台のハードディスクの信頼性レビュー」です。


◆Backblaze運用実績から見たハードディスク故障率

 Hard Drive Reliability Review for 2015 (Backblazeの発表資料:英語)
 その資料を紹介している記事(gigazine:日本語)

 色々な容量、メーカーのHDDをまとめてくれています。
 24時間動作、約5万6000台のハードディスク、期間は2年半のまとめです。
 資料の中で今回取り上げたいのは以下の故障率のグラフです。


2015-drive-failures-barchart
 ハードディスクを作っている4大メーカーです。
 皆様もこの4社のどれかのハードディスクを使われているかと思います。
 グラフを見ますとHGST(元日立、現在WDの子会社)の故障率が特に少なく、WD社の故障が多いです。
 ハードディスクを買うときのメーカー選択の指標になります。

 そして、一番優秀なHGST製でさえ故障率が1%。他は3%以上になることにも注目してください。
 2年半の間に故障する確率がそれだけあるということになります。
 ハードディスクは壊れるものだという前提が大切になります。


◆今、バックアップ先におすすめなのは
 [ 個人的な経験からお勧めするものです ]
 お店にも普通に売っているようになったNASが良いかと思います。
 NASというのはネットワーク上に置くデータ保存専用の小さいPCみたいなものです。
 買うものに注意点があります。

 ・ファンが付いているもの
 ・ハードディスクが2台以上入るもの(ミラーリングというもので運用します)
 ・B社とI社は年に数回エラーが発生してメンテが大変なので回避します。
 (メーカーをどうしても教えてという方にはQNAPと答えています。一番安定しています)
 ・ハードディスクは同じものを2台購入し、ミラーリング設定で使用します。

 また使用にあたっては、ハブ(or ルーター)に近い位置に有線LANで接続します。




まずは、忘れやすいバックアップをこの機会に行っていただき、
またバックアップ環境も一度整備しておくと安心です。