お客様インタビュー|グランド工房(グリーンライフ産業株式会社)
月刊エクステリアワークの全面協力のもと、福岡県福岡市のグランド工房本部の技術本部 設計課 デザイナー 岸本江里子様にお話しを伺いました。グランド工房では、エンドユーザーのお客様とプランナーが打ち合わせた内容を、本社の設計課のスタッフがCADで図面を作成するというスタイルを取っています。



お客様目線でデザイン設計ができる
「オーセブンCAD」



岸本江里子 課長代理
>設計課スタッフ目線で導入したオーセブンCAD。今年で導入18年目に。
岸本江里子デザイナー:
当社がオーセブンCADを導入して、今年で18年目で私が入社したのと、ちょうど同じ年に導入しました。会社でCADを導入しようと決まり、設計課のスタッフが自分たちでいろんな会社CADの操作性等をいろいろ確かめた上で、オーセブンCADに決めたと聞いています。当時の営業さんも、すごく親身になってどういう図面を描きたいかをしっかり聞いていただいたからだとも聞いています。

私は高校を卒業してすぐ、入社と同時に当社の設計課に入りましたので、CADどころか、パソコン自体もほとんど使ったこともなく、それこそPCの操作から先輩に教わっていた状態でした。
先輩たちは自分たちも導入したばかりのCADを覚えなくてはいけない状況で、私に設計の専門知識や、社会人としての教育もしなければならなかったので、大変だったと思います。
最初は、CADの操作と専門知識を覚えながらのプランニングで制作にかなり時間がかかりました。お客様の打ち合わせの日付は決まっているので、期限までに図面を間に合わせることが精一杯で、当時は図面のクオリティやデザインの良さまで気が回っていなかったのではないかと思います。まだサリバン先生とかのサポートはなかったので、電話サポートか、定期的に営業の方が来てくれて、何回か対面で教わって覚えたという記憶はあります。(写真:岸本江里子 課長代理)




オーセブンCADを使って岸本さんが作成したパース
オーセブンCADを使って岸本さんが作成したパース


>3Dパースの進化によって、スピードUPと、お客様目線でデザインを組み立てられるようになった
一番大きく変わったのは、「eE-CAD」から「O7CAD」に変わった時ですね。昔は平面図を描いてから3Dに起こす作業をしていましたので、それから考えると、全く違うソフトじゃないかというほど違います。平面図を描くと3Dが立ち上がって、ほぼ同時にパースを見ながら作り上げていけるので、スピード感は以前と倍以上違うと思います。

一番良かったのは、デザインが組み立てやすいソフトになったことです。以前は、平面図の後に3D化するので、どうしても平面の見栄えの良さを重視しがちなデザインだったんです。今は同時に3Dが立ち上がるので、立体的、空間的にイメージをしながらデザインできます。3Dでカメラのアングルを自由に動かしながらパースを作っていけるので、例えば、室内から外を見たアングルから、外壁や植物をデザインしたり、高さや色や素材をこんな感じがいいかなと見ながらバランス調整できる。お客様の目線に立って、室内や窓からどう見えるかをイメージしながらデザインを組み立てられるようになったことがすごくデザイナー目線で素晴らしいCADだなと思います。




>『橘』、『プロモーションカメラ』、『建物デザイナー』、機能向上に合わせて作業スピードも進化
レンダリングソフト『橘(たちばな)』では、写真レベルの美しいパースを作れるのがすごくいいですね。今は、お客様との打ち合わせの流れも変わってきていて、紙に出力して打ち合わせもしていますが、モニターにパースを映して行うことが多くなっています。モニターで1枚のパースを大きく映した時に、写真レベルの美しいパースが見せられるのは、今の打ち合わせにはすごく沿っていると思います。最近では『プロモーションカメラ』の「ムービー機能」も少しずつ撮るようになり、更にモニターでの打ち合わせに役立ってくれています。お客様からの反応がすごく良いようで「住宅を建てる時でもここまで作ってもらわなかった」とお客様に図面で感動していただいていると営業から聞いて、設計スタッフのやりがいにもつながっています。

また、『橘』が入ってパース1枚のレンダリングの時間がほとんどかからなくなったので、スピードアップにつながっています。「ムービー機能」も、出た当初は生成に30分くらいかかっていたのが、今は2〜3分でできるようになり、作りやすくなったので、今年になってからは多く作成するようになりました。

当社では、建物のパースは分業で専門のアシスタントさんが作ってくれるので、私たちが建物を作ることはないんですが、『建物デザイナー』を使うことで「ベクターワークス」で作っていた時代に比べると、簡単で格段に早くなっているそうです。既存の住宅をしっかりと描かれている外構のパースは、建物とのバランスがイメージしやすいとのことで、お客様からはすごく評価いただいています。私たち設計課のスタッフは現場に行くことがないので、営業スタッフが撮ってきた写真を元に、建物など既存物を作っているのですが、それでかなり現物に近いものを作っているので、同業者の方からすごいねと言われることもあります。高さなど全て細かく測っていなくても、写真から上手に読み取っているようで、そこはあまり教えた記憶はないんですが、みんなうまくやってくれています(笑)。




>もうお客様のプレゼンには欠かせない『360°VR提案』
360°VR提案』は、全ての図面につけています。最初は「これを見てお客様が喜ぶかな」と、半信半疑でちょっとずつ作っていったのですが、今では営業スタッフはお客様に細かい説明をするのに、パースではなくVRの方がいいと言っています。

今は会社の図面のフォーマットに、VRのQRコードを入れる枠が作ってあるので、QRコードは必ず入るようにしています。お客様に家でスマートフォンでも見ていただけますし、メールでやり取りするのにもすごく活躍しています。リモートでの打ち合わせの時も、画面にA3のパースを映すより、VRのほうが大きく見えて説明しやすいと思います。今では、平面図のパースは、お客様が持って帰って自分で考える資料だったり、第1印象ですごいねと感じてもらうものになっていて、説明は画面上のVRでという形になってきていますね。

お客様へのプレゼンにVRを本当に活用できるようになるまで2、3年かかりましたが、今では欠かせない機能という感じです。




グランド工房オフィス
月刊エクステリアワーク|2022年5月号掲載記事
グランド工房(グリーンライフ産業株式会社)
https://www.ground-f.com/