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アメリカの自治体で、公共機関で顔認証を使ってはいけないという条例案が可決されたそうです。顔認証を使ったシステムを公共施設等で運用してはいけない、という事ですね。空港などは例外だそうですが。



アメリカの自治体で顔認証を禁止した理由は、顔認証が失敗しやすい点と、プライバシーを守るため、という二つの理由があるそうです(出典:gizmodo)。 プライバシーは確かに難しい問題ですが、顔認証の精度の限界がやはり大きいのではないでしょうか。

私の身近に一卵性の双子がいるのですが、比較的強固と言われているのiPhoneの顔認証をラクラクとすり抜けてしまいます。確かに、同一人物だと思うくらい、二人は似てはいます。しかし、見慣れた人間からすると、全く別人に見えます。慣れれば、別々に会ってもすぐにどちらか分かるのです。

iPhoneの顔認証よりも優れたシステムはたくさんあると思いますが、現在の顔認証技術は、おおむね人間程度の認識力しかないと推測できます。指紋やDNAのような識別精度には遠く及びません。どんなに本人に似ている顔写真を見せられても、それが本当に本人なのかは、分からないものです。顔認証は、そういうレベルで使うべき認証方法だということでしょう。

運転免許証を提示して本人確認できるのは、免許証をポケットから取り出した人物と、写真が一致するからです。そっくりな他人の物を持ち歩いている可能性は十分否定できるからです。スマートフォンやパソコンのログインに顔認証を使うのも、同様に有効です。顔がそっくりな他人のスマホに不正にログインしている可能性は十分に低いからです。

顔認証の問題は、本人でも失敗したときにあります。顔認証が失敗したとき、スマホならパスワードを入れて認証を通り抜けることができますが、公共施設のゲートを通れなかった人物は、ゲートの前で途方に暮れることになります。黒人や女性はさらに認識の失敗が多くなると言われていますから、アメリカの自治体の判断としては、デリケートな人権の問題に発展する前に「やめておきましょ」という事なのではないでしょうか。